🍁楓浜diary🍁

アドベンチャーワールド楓浜🐼の成長を吹き出しイラストで綴るblog

本「 パンダのひ・み・つ」と ほぼ日・福田利之さんのお話

パンダのひ・み・つ

 

今は恐らく絶版で、中古でなら手に入れられる→Amazonや 国立国会図書館でも借りられる、永明さん蓉浜さんが中国からやってきて~雄浜さん誕生まで飼育に関わられた森田倫代さん、ベテラン飼育スタッフの熊川智子さんによって書かれた本。ずっと読んでみたかったもののやっと手にできたので、また皆を描く前に、すこし感想です。

 

永明さん蓉浜さんが来日した時のことから始まるんですが、不安気にいつまでも鳴いていた蓉浜さんとは対照的に、アドベンに着いた時から落ち着いていたという永明さん。今30歳の永明さんは長年暮らしているからいつも落ち着いているのかと思ったら、この頃から既にそうで、「物怖じしない性格」がほんとによくわかります。

 

ジャイアントパンダの環境や生態について書かれてるところに、肉食→竹を食べるようになったのは、

動きがのんびりしているためなかなか(小動物を)捕まえられず

と書かれていて(笑)知らなかったそういったエピソード、知識も話の中に織り込まれてます。

他にもグルメすぎる永明さんに対する飼育員さんの想いや、梅梅さんにすぐ心開いていた永明さんに思ったこととか、飼育員さんでないと感じられないリアルな気持ちが読んでいて楽しいです。

あとイラスト❗️写真の他に飼育員さんが描いた永明さんやみんなの絵が少し載ってるんですが、その時の感情が伝わるしとっても可愛い。近くで濃く関わってきた方の目線で描かれたものだからか、なんだか自分もその場にいたような感覚を味わえる気がします。

蓉浜さんは怖がりだけど、永明さんと一緒にいるときには強く出ていたという性格や、二頭の関係性がまるで人間みたいでほんとに可愛らしい。

 

桜の木も良いけれど、秋のキンモクセイの良い香りが楽しみ、とも書かれていて、キンモクセイの香りがぱっとわからないので次の秋に確認してみたいと思います💦鼻の良い永明さんは毎年その香りを感じていたのかな、なんて思います。

 

そして蓉浜さんの死について。急に食べなくなった蓉浜さんへ、食べてくれる餌をあの手この手で見つけようとしたり、日本人と中国人獣医師さんが何度も話し合って手を尽くしたものの、亡くなってしまったとのこと。永明さんは隣の寝室で鳴き続けていたと。

飼育員さんの気持ち、一頭になってしまった永明さんと、スタッフの方たちの雰囲気、この辺りを読むと胸が痛いです。

 

その後、梅梅さんの来日。見ているこちらまで嬉しくなるような永明さんの喜びようが描かれてます。良ちゃんが生まれ、どれだけ深い愛を注いでいたかということ。この後生まれるそれぞれの子へのエピソードでも、単に「命を繋ぐ」以上であることは間違いないと思います。

親子での様子、良ちゃんがどんなに可愛かったか、そして楓ちゃんまで受け継がれてきたおもちゃのこと、たくさん書かれてます。

写真で見る梅梅さんは、楓ちゃんとそっくり。アイパッチはもちろんだけど、目の感じがそのもの。生まれ変わりなんじゃないかと思ってしまうくらい。

 

良ちゃんの可愛さに熱烈に通いだすファンの方達も現れて、

ご自分のホームページでパンダ日記を掲示する方も現れ戸惑うこともありました。

と書かれていて💦今となってはそういったことが爆発的に増えて当たり前のようになってるから大丈夫かなと思いますけど(笑)当時はまだそういった感じだったんですね。

 

見に来た方が発する言葉も少し書かれていて、温かいものもあれば心ないものもあり、今の方がこういったモラルはあるとは思うけど、そうでない声も聞くことがあるので、もっともっと人間は何をしているのか、彼ら動物のみんなに何をしてもらっているのか、思うこと、出る言葉は人間のエゴでないのか、そういう意識を高めていって当たり前になったらいいなと思います。

また出産前にスタッフの方が殺気立って梅梅さんを見守っているとそれを感じ取ったのか背を向けてしまったというエピソードを読んでも、人間の醸し出す雰囲気、想いは確実に伝わっているだろうなと思います。

 

隆浜くん秋浜くんの双子を同時に育てる話の詳細が素晴らしいし、この時永明さんがじっと見守っていた様子を読むと、自分の子とわかっているかもしれないし、梅梅さんの大変さを見つめている優しさが感じられる気がし

あとお母さんに対する隆浜くんたちの様子が可愛い‼️パンダくろしお号に乗っている写真も合成ではないのだなと(失礼💦)とわかる様子が写真で載っていたり、ひとり立ち直後はやはりしばらく鳴いてお母さんが恋しくて仕方ないのだということもわかります。

 

そして雄浜くんの中国への旅立ち。納得いかないファンが飼育員さんへ向ける怒りにも、毅然と説明しなければならない飼育員さんだってもちろん悲しい…今回の桜ちゃん桃ちゃん、そして永明さんの中国への旅立ちも、全く同じでしょうし、まして永明さんをこんなに長い間見守りつづけてきた飼育員さん達の想いは計り知れないな、と思います…。

この時は早朝に正面入口から雄浜くんを乗せたワゴン車が出発し、スタッフのかた、たくさんのファンの方が見送っていたそうです。

 

中国で検疫期間を終えた雄浜君に会いに行った飼育員さん。日本と変わらない生活を送っていて安心とともに寂しいお気持ちになったと。永明さん、桜ちゃん、桃ちゃんは大丈夫だろう、と思えた部分です。

 

幸浜くんと同時期に生まれた赤ちゃん、手を尽くしたものの亡くなってしまう命はあるということ。飼育員さんたちが日々どれだけ皆に深い愛で接しているか、体裁のいいことだけでなく、本音も含めこれだけ感じられる本はなかなかないのではと思います。

 

中古で今は定価以上はしますが、私にとってその価値は十分すぎるほどあるものだったし、ネタバレなことはだいぶ書きましたがそれでも本文、絵、写真全て良いので未見で気になってらっしゃる方はぜひ手にして読んでいただきたいです。一時期6000円台になってたので💦それを考えたら今は買いやすいのではないかと。一部ですが図書館にもありますし。ぜひぜひぜひおすすめです。

 

 

ほぼ日 福田利之さんの話

去年からアドベンチャーワールド園内で使われているすべての動物達のイラストを描かれた福田利之さんが、その後アドベンチャーワールドを訪れた記事を見つけ…と言っても去年の記事ですが💦今更ながらなるほど!と思うことがあったのでこちらも少しだけ書きます。

 

こちらにも書かれているとおり、

福田さんは、
飼育スタッフさんに取材をして、
何度もなんどもフォルムの調整を重ね、
これらのイラストが生まれたのだそうです。

アドベンチャーワールドを後日訪れた連載の中でも

第3回の中では品川さんとのお話の中で、飼育スタッフさんの意見を取り入れて福田さんが描き、見ていただいてまた直す、ということを繰り返してあのイラストが完成したそうです。

園内で見ていて、シンプルな中にそれぞれの特徴を描いてらっしゃるんだろうなとは思っていたものの、まさか飼育員さんの意見を取り入れ直して…という過程があったとは思わなかったのでびっくりしました!今度もっと見てみよう。

ジャイアントパンダについては連載一回目と三回目にありますが、他も読ませていただいて面白かったです。

 

福田さんが描かれたあとに、鳥インフルエンザがあり、亡くなってしまった命があり…丁寧に取材され描いた福田さんも、あの子達が…と思われたことでしょうし、本当に辛い出来事だけれど、

去年のその前のタイミングですべて行われていたことを思うと、皆が描かれていて、せめてその生きた証が残って良かった…と思います。

お時間がおありで、未見でしたら、こちらもぜひ読んでいただきたいです。